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深い河(ディープリバー)読了

深い河 / 4062632578
遠藤 周作
講談社
ASIN:4062632578
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深い河、を読んだ。

昔、インドのバラナシを旅行していた時、
インド人の何人かが、「オレ、深い河ニデテルネ!」
「ワタシ、深い河の撮影みてたネ!」
とか言ってて、本を読む前にその存在(深い河は映画化されている)だけは知ってたけど
まだ読んだことなかったので読んでみた。

内容については、特に言及しないけれど、
インドに行く前と、行った後に読むのとでは印象が違うだろうなぁと思う。

カルカッタにはカーリーという女神がいて、

god_b_02.jpe引用元*

はじめてインドに行くと、色んな神様がいて
どれにも目を惹かれるのだけれど、
その中でカーリーというのはやはり印象が強い。

深い河の中でカーリーを、キリスト教の聖母マリアと対比して
語っているところがあるけれど、確かにマリア像とは全然違うイメージだ。
言われてみるまで意識しなかった。

でも不思議なことにカーリーですら、カーリーマ(カーリーお母さん)と呼ばれていて、
あのインドの大地においては不思議とマッチする。
多分、カーリーは、輸入できない。カーリーのA4版くらいの
ポスターを買って日本に帰ったのだけれど、この日本の空気には合わない。
僕もカーリーもいたたまれなくなる。インドの大地においてのみカーリーは生き生きと
輝くのだろう。

かつて藤原新也という作家が、インドで1ヶ月間くらい毎日死体が焼かれるのを
ひたすら見ていた、なんてことを本で読んだ記憶があるけれど、この本の中にも
バラナシの火葬場の記述が出てくる。僕自体は、バラナシではちょこっとしか見ていない。
なんだか人が多いし、バクシーシをねだってくる人は多いし、
落ち着けなかったし、変に観光地化してるのもなんかイヤだったから。

で、ブッダガヤの近くのガヤというところの火葬場をなぜか一度見たことがある。
ぼーっとその日は1日中ぶらぶらしていたのだけれど、
家族は大泣きしていて、取り乱す人や、そうでもない人や、色々いて、
で、人間が焼ける姿は、一応布みたいなのをかけるのだけれど、
手とか足首とかは焼けてぽつん、と落ちる。
そうすると鉄の棒で、その足首とかを火の中に入れるのだけれど、
不思議なことに別に怖いとも思わないし、気持ち悪いとも思わなかった。
空はすごい青くて、今でもその青さは覚えてるし、
目つきの悪い山羊や、犬も周りをぶらぶらする。
とにかく「開かれてる」と思った。
臭いものにフタをしない。
なんかそのオープン具合がやっぱりすごいなぁ、と思った。

インドを旅行している時、たまに旅行者同士で、
バラナシの火葬場を見ました?なんて話をして、
「もうーワタシ気持ち悪くてやっぱり怖くて〜」
なんて言ってる人もいたけど、僕はむしろすごい自然だな〜と思った。
僕も今、仮に死ねば、この体は焼かれるわけで、
そしていずれはそうなるわけで、焼いて、そして川に流す、と。

輪廻とか、言うと変な世界ぽいけど、向こうでは自然な循環なわけで。
生まれてくるものがあれば、その新しいものに道を譲る、ということを
普通に実践してるというか。

やっぱりバラナシという場所はすごすぎる。
改めて、そう思う。祈りの町、人間の汚さや悲しみや喜びや聖性や、
そういうものが動物と人間が渾然一体となって、ガンガを中心に廻ってる
町だと思う。改めて、やっぱりまた行きたいな。そうそうは簡単には
行けないだろうけども。

でもあとがきでも出てくるけど、三島由紀夫の最後の4部作の内、
2個くらいしか読んでないけれど、あれも輪廻転生を扱ってて、また
遠藤周作とは違うタッチだけれど、すごい面白かったなぁ〜、ていう印象がある。
またいつかインドにでも行ったら読んでみたいな。


↑from youtube [varanasi] shortcuts

Comment:2

kasumi 2006-11-08 (水) 22:13

大好きな本。主人公が私には遠藤周作とダブって見えた。 クリスチャンである彼がたどり着いた「神」の断片がバラナシには存在するのだと。そしてそれは目には見えないが確実にリアルなものとして浮遊している。

私も確かインドから帰ってから読んだな。

banyan 2006-11-12 (日) 01:34

「神」の断片は、どこにでも存在してるはずだけど、バラナシではそれを意識するのはなぜでしょう?やっぱり、あれほどの人間が祈りを毎日捧げてて、町全体が祈りの町と化してるから、その人の思いがガンガーとバラナシに移ってると思います。

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